英Jiscは2016年1月より購読料と論文掲載料(APC)とを組み合わせたオープンアクセス(OA)契約"Springer Compact"を開始し、このたび1年目の結果を公表した。
Springer Compactは、参加90機関に所属する研究者が、シュプリンガー社の1,600誌でOA出版できると同時に、2,500誌で出版されるすべてのコンテンツにアクセスできるモデル。ハイブリッド誌でのAPCと事務管理費を軽減すると共に、ハイブリッド誌での即座のOAを促すことが狙いである。以下、主な結果は以下の通り。
- OAで出版された論文数は3,073本
- 本契約により出版された英国の著作者によるOA論文数は、シュプリンガー社のハイブリッドジャーナルで2015年にOA出版された論文数より205%高かった
- 本契約の参加機関は、各機関の2014年の論文掲載料(APC)上限まで支出した
- シュプリンガー社に対して支払われる購読料とAPCとの総額と同等あるいはそれ以上をOAで出版した機関は18(20%)機関であった
- OAで出版された論文数はシュプリンガー社に投稿された総論文数の57.7%(3,073)であった。19.6%(1,041)はオプトアウトで、22.7%(1,209)はハイブリッド誌以外で出版された
- 医学および公衆衛生分野が682本(22.2%)と最も多く、生物科学(310本、10%)、生物医学(231本、7.5%)、哲学(180本、5.9%)と続く
- 99.9%がCC BYで出版された
[ニュースソース]
Springer Compact agreement: first year evaluation - JISC 2017/3/6