Research Consultingはこのたび、LIBERの委託を受け実施したオープンアクセス(OA)出版市場を経済的に分析した報告書の最終版"Towards a Competitive and Sustainable OA Market in Europe – A Study of the Open Access Market and Policy Environment"(試訳:競争力の高い、持続可能な欧州のOA市場を目指して)(PDF:77ページ)を公開した。
また、本報告書には添付文書として、OpenAIREが実施している第7次欧州研究開発の枠組みプログラム(FP7)助成期間終了後のOA支援パイロットの中期評価が添えられている。
欧州委員会(EC)は2016年5月、2020年までに即座のOAをデフォルトとする目標を設定した。対策を講じない限り、欧州の科学論文の50%が即座のOAとなるのは2025年以降となることが予測される。本報告書はOA出版市場の現状の一因となっている経済的要素を考察し、欧州の政策立案者がアクセスの増加と並行して市場競争と持続性を高める可能性を評価する。
以下、分析を行ったResearch ConsultingディレクターRob Johnson氏のコメントから抜粋する。
目標の達成を妨げる障害は大きく3つに分類される。1. 著者や出版社がOAに移行するための動機付けの欠如、2. 実効性の高い市場の欠如、3.基盤に関係する障害。即座にOAとなるコンテンツは年間約15%で成長しているが、世界における学術ジャーナル市場の約5%に過ぎない。目標の達成には政策レベルでのより大掛かりな取り組みが必要である。
[ニュースソース]
Report: "Towards a Competitive and Sustainable OA Market in Europe" - OpenAIRE 2017/3/21