米国立衛生研究所、公的投資へのリターンを最大にする新たな助成方法を検討

2017年05月17日

北米・中南米

米国立衛生研究所(NIH)は5月2日、個々の研究者が常に所持できる助成額を制限するポイント制の導入を検討していることを明らかにした。早期・中期キャリアの研究者が助成を得やすくすることにより、資金配分の不均衡に対応する。

NIH所長Francis Collins氏はブログの中で次のように述べている。「資金を少数の実験に集中させるよりも、多様な生物医学の課題に取り組む、より多くの研究者を支援することで、助成研究から生まれる重要な発見の数を最大にし、公的投資へのリターンを改善することができる」。

この発表は、わずか10%の助成金授与者が同省の研究費の40%を獲得しており、10年以上続くこのような不平等に対応すべきとの擁護組織等の助言を受けたもの。研究の複雑さや規模を基に各助成の種類に応じてポイントを割り当てるGrant Support Index (GSI)という指標を導入するという。

NIHによると、新たなアワードを1,600件確保しつつ、現行の研究助成が新たに導入する制限を超える研究責任者への影響は6%に過ぎないとしている。諮問委員会と研究コミュニティーから広く意見を求めた上で、今後数か月間でポイント制の導入方法を決定するとしている。

[ニュースソース]

New NIH Approach to Grant Funding Aimed at Optimizing Stewardship of Taxpayer Dollars - NIH 2017/5/2

[関連記事]

NIH to limit the amount of grant money a scientist can receive - ネイチャー 2017/5/3