EOSCパイロット(European Open Science Cloud for Research pilot)プロジェクトは5月12日、5月6日付け"The Economists"紙記事"The world's most valuable resource is no longer oil, but data"(試訳:世界で最も価値ある資源は石油ではなくデータ)を引用し、第一フェーズである2017~2018年の計画を発表した。
研究者がデータを十分に活用できない原因には、科学と経済、あるいは国とガバナンスといったデータ基盤が分断していることがあるが、EOSCはHorizon2020助成を受けてこれを軽減し、相互運用性の改善に取り組む2020年までの5か年間のプロジェクトである。
第一フェーズは以下の3点を重点課題としてあげている。
- EOSCのガバナンスの枠組みの提案・試験を導入し、欧州オープンサイエンスポリシーとベストプラクティスの開発に貢献する
- 多数の科学の実演者(Science Demonstrator)を開発し、サービスと基盤を統合するハイプロファイルなパイロットとして位置づけ、多くの科学ドメインでの相互運用性や利益を示す
- 広範な利害関係者の参画のもと、境界やコミュニティーを超えて、科学的研究のオープンなアプローチを導入するのに必要な信頼とスキルを構築する
環境・地球科学、高エネルギー物理学、社会学、生物科学、光子・中性子コミュニティーの5プロジェクトがすでに1月より活動を開始している。
[ニュースソース]
Less than 5 years to build the European Open Science Cloud - EOSC 2017/5/12
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