Science誌は8月23日付けで、ドイツ大学学長会議(German Rectors' Conference、HRK)が率いる電子ジャーナルのドイツ全体でのライセンス契約の締結を目指すDEALプロジェクトの進捗を取りまとめた記事 "A bold open-access push in Germany could change the future of academic publishing"(試訳:ドイツの勇敢なOAの圧力は学術出版の未来を変えるか)を掲載している。
本記事では、オランダ等他国の状況を踏まえつつ、DEALによる交渉が期待するほどの結果を得ておらず、特にエルゼビアとの交渉が暗礁に乗り上げている状況について、DEALの具体的な要求と交渉の内容を詳細に解説している。
2017年1月、ドイツの60機関以上でエルゼビア社との購読契約が期限切れとなった。2月にはジャーナルへのアクセスを再開したものの、3月にはさらに交渉が行き詰まった。7月にエルゼビア社から新たな申し入れがあったものの、DEALの要求を満たすものではなかった。
交渉の決裂を受け、ドイツ ベルリンの大学4校(シャリテ医科大学、ベルリン自由大学、フンボルト大学ベルリン、ベルリン工科大学)は、エルゼビア社との雑誌購読に関する2017年末の雑誌購読契約の更新を行わず、引き続き公正な価格と知識への無料のアクセスを要求するとの声明を発表している。
2017年末にエルゼビア社との購読契約の更新を予定しない機関のリストはこちら
[ニュースソース]
A bold open-access push in Germany could change the future of academic publishing - Science 2017/8/23
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