Data Science Journal誌9月4日掲載論文"Recommended versus Certified Repositories:mind the Gap"(試訳:推奨されるリポジトリと認証リポジトリとのギャップを埋める)を紹介する。
抄録
データリポジトリで研究データを公開する必要性がますます高まっている。データリポジトリの質を推奨し、評価する基準を持つ組織もあるが、何が質の高いデータリポジトリを構成するかについての合意は得られていない。本稿では、第1に、出版社、助成機関、コミュニティー組織などの関係者はどのデータリポジトリを推奨しているか、第2に、多数の組織により認証されるリポジトリは何かを調査し、これら2つのリストと、推奨、認証の基準を比較する。
組織がリポジトリを推奨、認証する際に使用される基準は、概して認証基準の方がより詳細ではあるが、どちらも類似している。リストを7つのカテゴリー:「ミッション」、「コミュニティー・認識」、「法的および契約の遵守」、「アクセス/サクセス性」、「技術的構造・インターフェース」、「検索性」、「保存」に区分したところ、基準そのものは類似しているものの、多様な機関により推奨されるリポジトリのリストは大きく異なっていた。全推奨リポジトリのうち、認証を得られたリポジトリは6%以下であった。認証はより重要になりつつあり、推奨されるリポジトリと認証リポジトリとのギャップを低減し、認証基準を研究者が現在使用しているリポジトリに確実に適用できるようにする措置を講じるべきである。