価格の壁を越えた学術論文:引用率におけるOAの利点(論文紹介)

2017年11月24日

ヨーロッパ

Scientometrics12月号 Vol.113に掲載された論文"Scholarly publications beyond pay-walls:increased citation advantage for open publishing"(試訳:価格の壁を越えた学術論文:引用率におけるオープンアクセスの利点)を紹介する。以下、抄録から抜粋する。

本稿は、ノルウェーの最新情報システムCristinに索引付けされているすべての学術論文を、DOIまたはタイトルによってGoogle Scholarで検索し、フルテキストへのリンクのあるなしにより、オープンアクセス(OA)率を分析した結果である。

分析の結果OA論文は68%であった。エルゼビア、シュプリンガー、ラウトレッジ、Universitetsforlaget掲載論文はOAでは公開されていなかった。Google Scholarのメインリンクの規定によれば、最大の提供者はResearchGateであり、さらに、機関リポジトリは、無料バージョンの論文の公開に大きな役割を果たしている。

分野では、自然科学・技術分野(72%)と医学・保健分野(58%)は、社会科学・人文学分野(55%)よりもOA率が高い。またOA公開された論文の引用は平均して2倍高かった。