企業と学術界との共同研究が急増

2017年12月15日

ヨーロッパ

科学雑誌で公開された論文の貢献度を表すデータベースNature Index 2017(対象年は2012年~2016年)によると、企業内で行われる研究数が減少するにつれ、学術および政府研究機関との共同研究が急増していることが明らかとなった。

12月6日公開されたNature Index 2017 Science Inc. supplementでは、科学における企業研究機関の役割の変化、その結果としての学術研究の展開、質の高い研究への移行コストと利益を調査した。

Nature Indexの創設者であるDavid Swinbanks氏は次のように述べている。

「産業界と学術界との密接な協力は望ましいが、長期的視点では研究機関における基礎研究と応用研究とのバランスの変化が懸念される。イノベーションに対する科学の主要な貢献の多くは、その時点では明らかな応用例のない数十年前に行われた探究的基礎研究に根差しているということに注目すべきである。」

国別の企業研究(論文)数は米国(49.25%)、日本(10.65%)、英国(6.07%)、中国 (5.03%)、ドイツ(4.99%)であった。また企業別では1位IBM(米)、2位F Hoffmann-La Roche AG(スイス)、3位Novartis International AG(スイス)、4位Samsung Group(韓国)で、日本企業ではNTT(7位)が最も高かった。

[ニュースソース]

Collaboration surges as businesses outsource discovery to academia - ネイチャー 2017/12/6