オーストラリア大学図書館カウンシル(CAUL)はこのたび、2009年以来実施している研究論文リポジトリ(RPR)の調査結果(pdf:12ページ)を公開した。
本調査はニュージーランドとオーストラリアの大学図書館を対象に、2017年5月12日~6月9日に実施された。47大学図書館から回答が得られた。
2015年と2016年は調査を実施していないため、2014年からの主な変化を以下に示す。
・オープンアクセス(OA)方針をまだ策定していない機関は36%と、4年前と変化はない。
・豪州研究会議(ARC) と国家保健医療研究評議会(NHMRC)のOA方針との関係を記録している機関は6機関にとどまった。豪州の大学の研究の質を評価するシステム2018 Excellence in Research for Australia (ERA)ではOAを重視しており、機関にとっては大きな課題である。
・人員の配置については流動的ではあるが、43%増加している。リポジトリの役割は多様化しており、論文リポジトリ以外にリポジトリを所有する機関は71%あった。
・論文リポジトリおよび研究データ管理で使用されるソフトウェアも多様化している。
・DSpaceとRedBoxの利用が圧倒的に多いが、柔軟なワークフロー、多様な種類のコンテンツ、システム間のデータ移行をサポートするベンダー製品の開発に好意的である。
・データフローの自動化が増加し、セルフデポジットは減少している。
・ORCIDの統合は増加する見込みである。ORCIDを使用するリポジトリは37%のみであった。
・高等教育研究データコレクション(Higher Education Research Data Collection、HERDC)(46%)とExcellence in Research for Australia(ERA)(84%) が、2014年同様に内部的にリポジトリを使用する主な理由となっている。
・論文掲載料(APC)に関して、図書館は助言と資金提供(27%)に貢献している。
・よいソフトウェアが開発されたことで、発見性が格段に向上している。
[ニュースソース]
Research Publications Repository Survey Report 2017 - CAUL 2017/12