医学誌のオープンアクセス(OA)方針を横断的に調査した報告書(プレプリント版)"Open access policies of high impact medical journals:A cross-sectional study"(試訳:インパクトの高いジャーナルのオープンアクセス方針:横断的調査)(pdf:32ページ)を紹介する。
抄録より
Journal Selectorを用いて、2015年のインパクトファクターが15以上の37ジャーナル(14出版社)を選定した。これらジャーナルのオープンアクセス(OA)方針に関する情報をウェブサイト等から収集し、医学誌のOA提供状況を調査した。レビュー論文のみを出版するジャーナルは対象から外した。
37誌はすべて、最長12か月までのエンバーゴを伴う何らかのOAを提供していた。一定条件下(例:特定の研究助成機関)でCC BYによる即時OAを提供するジャーナルは23誌(62%)であった。商業的助成機関/製薬企業に対するCC BYライセンスを確実に提供するジャーナルは1社のみであった。
インパクトファクターの高い医学誌のOA方針の多くは、製薬業界により助成された医学研究の流通を制限している。科学コミュニティーが自由に閲読、再利用するには、CC BYライセンスによる制限のない即時OAに対する製薬企業の助成を認めるのが理想的である。