インパクトファクター誤用への対応策を取る機関はごくわずか(記事紹介)

2018年02月27日

ヨーロッパ

Forum for Responsible Research Metrics主催により2月8日ロンドンで開催された研究指標に関する会合において、研究成果の評価に誤った方法による研究指標を使用することに対する批判がある中、このような使用をやめるための具体策をとる機関はごくわずかであった、とする報告が発表された。

また、ネイチャー誌が2月12日付けで掲載した記事"Few UK universities have adopted rules against impact-factor abuse"(試訳:インパクトファクター誤用への対応策を取る英国研究機関はごくわずか)によると、調査対象の96機関のうち4分の3以上は研究指標ポリシーを持っていなかった。ジャーナルではなく、個々の研究論文の質を評価すべきと提言する「サンフランシスコ研究評価宣言」(San Francisco Declaration on Research Assessment, DORA)に署名する機関はわずか21組織であった。

世界的には大学、助成機関、ジャーナル等450組織と、個人として1万2,000人がDORAに署名し、英国の7研究会議は2月7日にDORAに署名(小欄記事)した。

DORAへの署名が少ない理由として、分野によって適切な指標に違いがあること、またDORAはジャーナル指標の誤使用を重視しすぎているため、2015年に発行されたLeiden Manifesto(小欄記事)に沿ったポリシーの開発を進める動きがあることを指摘している。

[ニュースソース]

Few UK universities have adopted rules against impact-factor abuse - ネイチャー 2018/2/12

[小欄関連記事]

2018年02月20日 オープンアクセス学術出版社協会、DORAに署名