オープンアクセス(OA)は学術・科学出版が今後向かうべき方向ではあるが、移行スピードには満足していないと考える関係者が多いことが、シュプリンガー・ネイチャー社の実施した調査から明らかとなった。
本調査は研究機関あるいは図書館に所属し、学術コミュニケーション、機関の政策、ファンディングに関する業務、あるいは研究データや出版管理等に従事する200人を対象に行われたもの。
研究論文、学術書籍、研究データをOAにすべきとの回答は70%以上で、OAは学術・科学出版の未来であると回答した図書館員は91%に上った。同社が2017年に実施した研究者(著者)への同種の調査結果の67%に比べ著しく高かった。一方、最も満足度が低かったのは、学術書のOAへの移行速度だった。
回答者の多くはすべての学術文献のOA化は将来的に達成されるだろうと回答しており、3分の2は10年以内としている。ゴールドあるいはグリーンなどのOAの種類の好みは調査グループにより違いが見られた。
研究データ共有については、政策、教育などの点で取り組みが必要な分野であると認識されており、データのオープン化の速度に満足しているとの回答は3分の1に満たなかった。
[ニュースソース]
Open access is the future – Springer Nature survey - Research Information 2018/3/12