ネイチャー誌は3月9日付け記事"AI researchers embrace Bitcoin technology to share medical data"(試訳:AIの研究者、医療データ共有にビットコイン技術を活用)で、ブロックチェーン技術を利用した医療データ共有の取り組みを紹介している。
本記事は、ブロックチェーン技術を利用して個人情報の問題に対応しながら、乳がん検査に用いられるマンモグラフィー画像からがんを発見するためのAIアルゴリズムの訓練を可能にするシステムの開発を目指す、カリフォルニア大学サンフランシスコ校の計算生物学者Dexter Hadley氏等の取り組みを紹介している。
ブロックチェーンは全てのデータを参加者にばらまくモデルであるが、個人情報そのものをばらまくのではない。Hadley氏らの研究では、ブロックチェーンは、画像を提供する参加者、臨床医、研究者間のデータの流れを誘導する一連の流れとして機能するとしている。参加する女性はオンラインポータルbreastwecan.orgを使用して自分のデータへのアクセス権を与えたり、取り消したりすることができる。
Hadley氏は次のように述べている。「医師が集める膨大な量の医療データは、その情報が共有され、研究される場合にのみ医学の進歩を生む。医学の分野では、良いデータガバナンスを実現する技術を考える必要があり、ブロックチェーンは現在考えられる方法の一つである」。
[ニュースソース]
AI researchers embrace Bitcoin technology to share medical data - ネイチャー 2018/3/9
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青木崇.ブロックチェーン(分散型台帳)最新事情:第4次産業革命を牽引する革新的な技術への期待と課題.情報管理.2017, 60(3), 166-174.
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