グラナダ大学Alberto Martín-Martín氏等による調査報告書"Evidence of Open Access of Scientific Publications in Google Scholar:A Large-Scale Analysis"(試訳:Google Scholarにおける科学論文のオープンアクセスの証拠:大規模分析)(プレプリント版 PDF:38ページ)を紹介する。
<抄録>
本稿では、Google Scholar(GS)を使用して、国および研究分野ごとのオープンアクセス(OA)レベルを分析した。 DOIを持ち、2009年または2014年に出版され、またWeb of Scienceの主な3つのCitation Index(226万9,022件)の対象となったすべての論文とレビューを調査の対象として選択した。 GSで表示されるこれらの文書の無料で利用可能なバージョンへのリンクを収集した。アクセス形式の信頼性が高い(持続可能で、合法的な)か、あまり高くないかを区別するため、GSから抽出したデータをDOAJ、Crossref、OpenDOAR、およびROARで利用可能な情報と組み合わせた。その結果、グリーンOA(17.6%)として利用可能なものから、出版社によりOAとなったもの(ゴールド、ハイブリット、遅れてOAとなるもの、ブロンズOAなど23.1%)、また他のソースにより利用可能となるもの(40.6%、主にResearchGateによるもの)に分類できた。全体として54.6%が無料で利用できたが、国や主題のカテゴリーレベルで大きな違いがみられた。 GSから抽出されたデータは、同様に文書サンプルを分析した他の研究で見いだされた結果と非常に類似している。異なる方法を用いたとしても、結果には相対的に一貫性がみられた。