スペイン、複数の科学機関が科学関連予算の増額を求める嘆願書を政府に提出(記事紹介)

2018年04月20日

ヨーロッパ

スペインの複数の研究機関が、予算削減による科学の衰退を止めるよう求める27万7,000人の署名入り嘆願書をスペイン政府に提出したと、Nature誌が4月13日付の記事で報じた。主催者らは、2020年までに、科学関連予算を2009年の100億ユーロ規模にまで戻すよう求めているという。

2009年にスペインの科学関連予算は過去最高を記録したものの、金融危機が起こった2009年から2013年は約59億ユーロにまで削減された。2018年度の予算案には、科学関連予算を2017年度の8.3%増の70億ユーロとする案が盛り込まれており、これが承認されれば、過去10年で最大の増額となるが、2009年度の水準には程遠い額である。

このことについて、マドリード・コンプルテンセ大学の化学者で、Confederation of Spanish Scientific Societies(試訳:スペイン科学協会連合、COSCE)の会長を務めるナザリオ・マーティン氏は、「2018年度の予算の増額は第一歩に過ぎない」とし、「インフレを考慮すれば、2009年度の予算に戻るまでには、さらに10年が必要であろう」と述べた。

[ニュースソース]

Spain's biggest-ever science petition decries 'abandonment' of research ― Nature 2018/04/13