Scholarly Kitchenに、8月6日、"Interpreting Elsevier's Acquisition of Aries Systems"と題する記事が掲載された。これは、論文投稿・査読システムEditorial Manager 等を提供するAries Systems社の、エルゼビア社による買収について考察したもの。
記事では、出版社独自のシステム開発の断念や失敗例、自社開発の構築・管理の難しさ、研究者から不評を買っている点など、論文投稿システムの現状を指摘。
オープンアクセスの圧力が安定した収益源(ジャーナル購読料)を脅かしており、収入源確保のためにエルゼビア社が行ったデータ解析事業(Mendeley、Plum)、コンテンツ関連事業(bePress、SSRN)の買収などを挙げながら、Aries Systems社買収の背景を説明している。
今回の買収劇は大幅な収益増を見込んだものでなく、同様のサービスを展開するClarivate社との競争にあると説明。次世代の論文投稿システムにはインターフェイスや解析機能の改善が求められており、データ通信速度やコンピュータ性能の向上によりコンピュータベースの論文投稿システムが不可欠となる中で、優位な立場にあったAries Systems社は、買収により事業の永続性も確保したと分析している。
[ニュースソース]
Interpreting Elsevier's Acquisition of Aries Systems ― Scholarly Kitchen 2018/08/06 (accessed 2018-08-15)
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2018年08月09日 エルゼビア社、Aries Systems社買収を発表