助成機関による研究成果のOA義務化の現状を俯瞰する(記事紹介)

2018年11月01日

北米・中南米 ヨーロッパ

Nature誌に、10月24日、"Do authors comply when funders enforce open access to research?"(試訳:助成機関が研究成果のOA(義務)化を施行したとき、著者はそれを遵守できるのか?)と題する記事を掲載した。

2018年9月、欧州の研究助成機関は、研究成果の無料、完全かつ即時公開を明記したPlan Sを発表しているが、世界的にみると、50の助成機関、700の研究機関が、何らかの形で研究成果のOA(オープンアクセス)を義務化している。

本記事では、OA義務化の対象となった130万件の論文のうち、2/3が自由に閲覧できる事実を提示。助成機関が助成金受給者に課しているOA化に関する要件、公開されている論文の種類(ゴールド、グリーン)の割合(主要機関別)などをグラフを交え紹介している。

また、主要機関のOA義務の厳格さや機関所有のリポジトリの有無がOA化遵守率に及ぼす影響、研究分野ごとの遵守状況の違いなどを示しながら、より正確に状況を把握するために各機関が関連データを公表することの大切さを主張。著者が投稿したい、読者がアクセスしたいと思うようなモデルを大学、出版界、助成機関が協調性と先見性をもって考える必要があるだろうと述べている。

[ニュースソース]

Do authors comply when funders enforce open access to research? ― Nature 2018/10/24 (accessed 2018-10-30)

[小欄関連記事]

 2018年09月18日 Science Europe、OA実現のための公的助成機関向けイニシアチブ"cOAlition S"の開始を発表