Couperin.orgのElsevier社との契約に問題あり。政府は割り引きに成功したと主張するも、OA促進を遅延するとの批判も多く(記事紹介)

2019年12月23日

ヨーロッパ

​Science誌は、12月13日、"Elsevier deal with France disappoints open-access advocates"と題する記事を公開した。

本記事は、フランスのコンソーシアムCouperin.orgがElsevier社と11月に締結した契約の概要、それに対するフランス政府や学協会などのコメントを紹介したもの。フランス政府は、契約により購読費を2009年の水準へと戻したことで、150万ユーロを削減できると主張。すべての論文がOA(オープンアクセス)になるわけではないが、研究者がOA出版を選択した場合に出版料金が25%割り引かれるとした。

一方で、OA費用を支払わなかった論文については無料で読めるが1年間のエンバーゴが設けられること、それはエンバーゴを最大6か月としているフランスの法律よりも長期間であること、本契約がPlan Sで禁じているハイブリッドを促進することになるなど、国内の学協会やPlan S立案者の1人であるRobert-Jan Smits氏の、批判的なコメントも示している。

[ニュースソース]

Elsevier deal with France disappoints open-access advocates ― Science 2019/12/13 (accessed 2019-12-16)

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