cOAlition S、OA出版社5社のTAに関する声明に対して回答を公開

2020年04月02日

ヨーロッパ

cOAlition Sは、3月30日、OA(オープンアクセス)出版社5社のTA(Transformative Agreement、「転換契約」または「移行契約」)に関する声明書(position paper)に対して回答を公開した。

Frontiers社など5社のOA出版社は、"Current Transformative Agreements Are Not Transformative Position Paper – For Full, Immediate and Transparent Open Access"と題する声明書を公開。完全OAへの転換可能性が低くハイブリッドモデルを存続させかねない契約にも関わらず、一部の出版社がTAという呼称を使っていると批判し、精査や根拠のないTAの使用をやめることなどを提言していた。

これに対し、cOAlition Sは、さまざまなOAジャーナルやプラットフォーム、ビジネスモデルの存在を認識、サポートしており、参加機関であるWellcomeが完全OAジャーナルの出版費用に280万ポンドを支出したなど、OA出版社の利益となる財政的な取り組みも行っていることに言及。

現在のTAに弱点があることを認めつつ、今後もTAを購読ジャーナルから完全かつ即時OAジャーナルへの転換における強力なツールとして注視すること、2024年末のTAへのサポート終了によって各契約満了後の"pure publish"への転換を予見していること、多くの図書館、コンソーシアムなどが完全OA出版社と契約を締結していること、競争と適正な料金設定を促すために、契約額の透明化を進めていくことなどを回答した。

[ニュースソース]

cOAlition S responds to Open Access publishers' statement on Transformative Agreements ― Plan S 2020/03/30 (accessed 2020-03-31)