Science誌は、10月28日、"Science's English dominance hinders diversity—but the community can work toward change"と題する記事を公開した。
本記事は、科学研究分野で英語が「共通言語」となっていることから生じている問題や考えられる解決策などを示したもの。
UC(University of California、カリフォルニア大学)バークレー校の博士課程の学生が英語を母語としない49名のコロンビア人生物学者に対して調査を行った結果、英語での論文執筆はスペイン語よりも12日以上多くかかること、約半数が英語の文法を理由に論文を却下されたこと、1/3が英語の発表に不安があり学会参加を諦めたことなどが明らかになったと紹介。
メキシコなどのスペイン語圏、台湾などの中国語圏の研究者に対する調査でも不満や不安などを増長させるというIndiana Universityの研究結果も紹介しながら、査読者は査読の際に英語ではなく科学的な知見に注目すべきこと、プルーフリーディングの費用は出版料から捻出すべきこと、国内の学生より高い学費を払っている留学生のために英語圏の大学は翻訳サービスやツール、無料の英語レッスンを提供すべきことなど、研究者のコメントを示している。
[ニュースソース]
Science's English dominance hinders diversity—but the community can work toward change ― Science 2020/10/28 (accessed 2020-10-29)