Science誌は、1月1日、"Open access takes flight"と題する記事を公開した。
本記事は、Plan Sなど近年のOA(オープンアクセス)の動向と、OAの問題点をまとめたもの。
2018年に大きな衝撃を与えたPlan Sであるが、論文生産トップ3のインド、米国、中国の公的機関が参加しておらず、世界の論文の6%程度しか網羅できていないこと、OA論文は購読型よりも引用数が多くなるがその差はわずかで、その恩恵は高品質な論文に限られること、多くの著者がOA出版費用に対する十分な援助を受けられないことなどを示している。
そのほか、OAの利点は認知されているが、OAポリシーの導入および準拠状況を監視している機関は多くはなく、研究者も影響力のあるジャーナルでの出版をOAより重視していること、大学などの研究機関においても購読費用を振り替えるだけではOA出版費用を捻出できないこと、OA出版がデフォルトになり出版費用が高騰すれば、研究資金が潤沢な限られた研究者しか論文を出版できない事態に陥る可能性があることなどを記している。
[ニュースソース]
Open access takes flight ― Science 2021/01/01 (accessed 2021-01-04)