事前の公表がないまま進む英国政府によるNHS患者データの大規模集中型データベースへの転送計画(記事紹介)

2021年06月25日

ヨーロッパ

Open Access Governmentは、6月22日、"UK Government to sell NHS patient data to third parties"と題する記事を公開した。

本記事は、英国政府が、NHS(National Health Service、国民保健サービス)患者データを大規模集中型データベースへ6月23日に転送する計画(NHS data-grab)を進めていることを紹介。

同データには、過去10年間の治療・紹介・予約に関する情報や、GP※文書に記録された民族性・メンタルヘルス・薬物問題などの情報が含まれている。NHSは利用目的として健康と治療法の改善や重大な病気の研究を挙げており、データは民間セクターの第三者にも販売されるという。

また、同計画は英国政府によって8年前に提案されたもので、活動家からサイバーセキュリティーや人権に関するリスクを指摘されていたこと、多くの人々は同計画の進捗を知らず懸念を表明する機会が与えられていないこと、政府は同計画を中断し患者との関わりを持つべきだとするBMA (British Medical Assocation、英国医師会)関係者の発言も紹介している。

※General Practitioner。家庭医や一般医、総合診療医などかかりつけの医師。

[ニュースソース]

UK Government to sell NHS patien​t data to third parties — Open Access Government 2021/06/22 (accessed 2021-06-24)