NISTEP(National Institute of Science and Technology Policy、科学技術・学術政策研究所)は、6月29日、「修士課程(6年制学科を含む)在籍者を起点とした追跡調査(2020年度修了(卒業)者及び修了(卒業)予定者に関する報告)」(調査資料310)を公表した。
これは、博士課程への進学率の減少を踏まえ、修士課程(6年制学科を含む)修了(卒業)者および修了(卒業)予定者を対象に、在籍中の経済的支援状況、進路状況、博士課程に進学しない理由、博士課程への進学率を向上させるための政策などについて調査したもの。2020年11~12月に調査を行い1万6,311名から回答を得た。
その結果として、回答者の約30%に返済義務のある奨学金・借入金があり、そのうち半数近くは借入金が300万円以上であること、博士課程への進学希望者は約10%と少なく、約70%は就職を希望しその理由を「経済的に自立したい」「社会に出て仕事がしたい」「博士課程に進学すると生活の経済的見通しが立たない」であったことを示している。
また、博士課程進学者を増加させる最も効果的な政策として、「博士課程での給与支給」「若手研究者(博士後期課程学生を含む)の研究環境改善」「産業界における博士取得者に対する給与等処遇改善」などが挙がったという。
[ニュースソース]
修士課程(6年制学科を含む)在籍者を起点とした追跡調査(2020年度修了(卒業)者及び修了(卒業)予定者に関する報告)[調査資料310]の公表について -NISTEP 2021/06/29 (accessed 2021-06-30)