インターネットライブラリーを手掛ける米国の非営利団体Internet Archiveは、8月3日、カナダのYork University対Access Copyright※の訴訟において、Supreme Court of Canada(カナダ最高裁判所)が「芸術作品や知的成果物のパブリックアクセスと普及」は「著作権の主要目的」だと全員一致で判決したと発表した。
2013年に提訴された本訴訟は、Access Copyrightがカナダの教育機関に支払いの義務付けならびに金額の引き上げを求めたのに対して、York Universityが支払いの必要はないと主張したことが争点となっていた。
同最高裁は、支払いは義務ではないとの判断を下し、Access Copyrightのような市場支配力をもつ著作権ステークホルダーによる行為からユーザーを保護することの重要性を強調した。
また、同最高裁は「著作権やそのほかの知的財産権の保有者による過剰な管理は、社会全体の長期的利益のためにイノベーションを促進するパブリックドメインの能力を不当に制限する可能性がある」と指摘した。
※カナダの著作権管理団体。
[ニュースソース]
Supreme Court of Canada Reaffirms Public Access as a "Primary Goal of Copyright" — Internet Archive 2021/08/03 (accessed 2021-08-06)
York University v. Canadian Copyright Licensing Agency (Access Copyright) — Supreme Court of CANADA 2021/07/30 (accessed 2021-08-06)