プレプリントを引用した研究助成金申請をARCが却下したことに対し、研究者が抗議（記事紹介）

2021年09月01日

アジア・オセアニア

Natureは、8月25日、"Preprint ban in grant applications deemed 'plain ludicrous'"と題する記事を公開した。

オーストラリアの研究助成機関ARC（Australian Research Council、オーストラリア研究会議）が、プレプリントなどの査読されていない資料の引用を理由に、20件以上の研究助成金の申請を不適格と却下。本記事は、この裁定に対する研究者らの抗議を紹介している。

前半は、本裁定が最新研究の参照を制限しており、現代の出版慣行にそぐわず、プレプリントの引用を認めている他国の助成機関の方針と相反すると研究者らが強い口調で非難していることを紹介。

後半は、研究者らが本裁定は個人のキャリアを終わらせ、オーストラリアの研究全体にも悲惨な結果をもたらすと警告していることや、ARCが2020年9月、申請書におけるプレプリントの言及や参照を認めないという新たな規則を導入したことを示している。

本変更について、ARCはウェビナーを通じて大学の研究室に伝えたとしているが、研究者らは、本変更が申請者への指示に明確に表現、定義されていなかったと主張している。また、申請を却下された研究者ら7名は本裁定に異議を唱える予定であるという。

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