EMBO(European Molecular Biology Organization、欧州分子生物学機構)は、8月26日、CSHL(Cold Spring Harbor Laboratory、コールド・スプリング・ハーバー研究所)、eLife、Knowledge Futures Groupと協同で、分散型ピアレビューエコシステムの基盤となる"DocMaps"のパイロットを開始すると発表した。
本パイロットは、CSHLが運用するbioRxivおよびmedRxivのサーバーに投稿されたプリプリントのピアレビューやそのほかの評価に、新たにDocMapsのフレームワークを試験的に導入するもの。
DocMapsは、文書作成プロセスを体系的に記述するシステムで、文書の編集履歴などのコンテクストデータや、コミュニティーグループやピアレビュープラットフォームがどのようにプレプリントを評価しているかに関するデータを提供できる。これにより、分散した相互運用可能なインフラ内でのピアレビューの交換や統合、公開が容易になるという。
ピアレビューは、EMBOの"Early Evidence Base"やeLifeのScietyプラットフォームにも統合される。
本パイロットは使用例を特定しているが、最終的な目標はDocMapsの拡張性を利用して、学術出版などの多様な文書をカバーすることだという。
[ニュースソース]
Open science organizations collaborate on DocMaps – the foundation for a distributed peer review ecosystem ― EMBO 2021/08/26 (accessed 2021-09-07)
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