EC、OSSとOSHが欧州経済に与える影響に関する調査報告書を公開

2021年09月16日

ヨーロッパ

EC(European Commission、欧州委員会)は、9月6日、調査報告書"The impact of Open Source Software and Hardware on technological independence, competitiveness and innovation in the EU economy"を公開した。

本報告書は、OSS(Open Source Software、オープンソースソフトウェア)とOSH( Open Source Hardware、オープンソースハードウェア)が欧州経済に与える影響を分析し、欧州の成長につながるオープンな研究とイノベーションの実現を目的とした、公共政策への推奨事項を示している。

本報告書によると、EUに拠点を置く企業の2018年のOSSへの投資額は約10億ユーロで、これにより欧州経済に650~950億ユーロのプラスの影響がもたらされたという。

また、OSSのコードへの貢献度が10%増加すると、GDPが年間0.4~0.6%増加し、ICT分野のスタートアップがEU圏で600社以上創業するといった予測や、公的機関がプロプライエタリソフトウェア※の代わりにOSSを調達することによって、TCO(Total Cost of Ownership、総所有コスト)の削減やベンダーの固定回避を行っている事例などを示している。

ECは、本報告書が今後、EU産業界におけるソフトウェアやハードウェアのポリシー策定でオープンソースの強化に活用されるだろうとしている。

※ソースコードなどが公開されたOSSに対し、商業ソフトウェアのようにソースコードや知的所有権を保持しているソフトウェア。

[ニュースソース]

Commission publishes study on the impact of Open Source on the European economy ― EC 2021/09/06 (accessed 2021-09-14)

Study about the impact of open source software and hardware on technological independence, competitiveness and innovation in the EU economy ― EC 2021/09/06 (accessed 2021-09-13)