PLOSは、9月27日、自国以外の国や地域に出向き行われた研究報告の透明性向上のための新たなポリシー"Best Practices in Research Reporting"を公開した。これはPLOSの全ジャーナルに適用される。
研究者が資源や設備の十分でない国や地域に出向き研究を行う場合、地元の理解や関与が不十分で、地元の協力者にとって直接的な利益がほとんどない場合がある。これらは"parachute research(パラシュート研究)"や"neo-colonial science(ネオコロニアル科学)"と呼ばれて批判されている。本ポリシーは、そういった研究の報告の透明性を向上させることにより、出版に公平性をもたらすことを目的としている。
本ポリシーは、自国以外の国や地域で研究を行った著者や、そこで収集されたサンプルを研究に使用した著者などに対して、グローパルな研究における包括性に特化し、倫理・文化・科学に関して配慮した事項などを記入するアンケートの提出を求めるという。また、著者は、地元の協力者について著者リストや謝辞で適切に言及する必要があるとしている。
PLOSは、アンケート結果を論文の査読の際に編集者などに提供し、その論文がジャーナルの倫理や完全性に関する基準を満たしているかどうかの評価に利用してもらうという。また、記入したアンケート内容をサポート情報として当該論文に含めることで、研究の透明性向上を図る。
[ニュースソース]
Announcing a new PLOS policy on inclusion in global research — PLOS 2021/09/27 (accessed 2021-10-01)
Best Practices in Research Reporting — PLOS (accessed 2021-10-01)