1周年を迎えるI4OAのこれまでの進展と今後(記事紹介)

2021年10月15日

北米・中南米 ヨーロッパ

OpenCitationsは、10月6日、"The Initiative for Open Abstracts:celebrating our first anniversary"と題する記事を公開した。

本記事は、著作物の抄録のオープン化を推進するイニシアチブI4OA(Initiative for Open Abstracts)※の 1周年を機に、これまでの進展や次のステップをまとめている。

立ち上げ当初、同イニシアチブの支持を表明していたのは40の出版社だったが、この1年間でその数は86社に倍増。ラテンアメリカや東欧、アジアなどの出版社も多数参加しているという。

一方で、出版数の多いElsevier社やSpringer Nature社、Wiley社、Taylor & Francis社は同イニシアチブに参加しておらず、その理由として、4社は抄録を抄録サービスに販売することで収益を得ているため参加による収益減を懸念していることなどを挙げている。

学術情報サービスMAS(Microsoft Academic Services)の2021年末の終了や、I4OC(Initiative for Open Citations)への参加機関の増加などを受け、より広範なサポートの獲得が重要になってきているため、次の段階として、I4OAへの参加拡大などを行っていく。

※抄録を適切な基盤でオープン化し、そのデータをCrossrefに提出するよう学術出版社に求めることにより、学術的成果の発見性の向上や新しいタイプの研究分析の実現を目指している。

[ニュースソース]

The Initiative for Open Abstracts:celebrating our first anniversary ― OpenCitations 2021/10/06 (accessed 2021-10-13)

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