AAP、米国の2020年の書籍出版業界の収益に関する報告書を発表

2021年10月19日

北米・中南米

AAP(Association of American Publishers、米国出版社協会)は、10月8日、2020年のStatShot年次報告書※を発表した。

本報告書によると、2020年の米国の書籍出版業界の収益は、前年比0.2%減の257億1,000万ドルでほぼ横ばい。2016年以降、同業界の年間収益は250~260億ドルの範囲で推移している。

特筆すべき点として、一般書籍が前年比6%増で好調であったこと、紙の書籍がいまだに強く、ハードカバーとペーパーバック両方の収益が増加したこと、2014年以降減少していた電子書籍の収益が前年比11.7%増の21億2,000万ドルであったことなどを挙げている。

また、デジタル製品などの販売を含むオンライン小売りチャンネルの収益は前年比19.2%増の95億3,000万ドルで、業界全体の収益の37.1%を占めている。

一方、高等教育機関の収益は、遠隔教育の増加によって販売とレンタル両方で費用対効果の高いデジタル教科書の普及がさらに加速したため、前年比5.7%減の31億ドルとなった。

※出版社と流通業者から提出された年間データと市場モデリングを組み合わせた独自の方法によって、米国の出版業界の収益などを推定している。

[ニュースソース]

Book Publishing Revenues Flat at $25.71 Billion For The Year ― AAP 2021/10/08 (accessed 2021-10-15)