欧州の科学および人文科学アカデミー連盟ALLEA(All European Academies)は、10月25日、OA(オープンアクセス)の公平性に関する声明"EQUITY IN OPEN ACCESS"を発表した。
本声明は、ゴールドOAが学術研究における不公平な構造の確立につながっていると指摘。商業出版社が推進しているゴールドOAは、著者が多額のAPC(論文掲載料)を支払う必要があり、アクセスへの障壁を参加への障壁に置き換えていると述べている。
また、複数の大学などを代表する図書館コンソーシアムと商業出版社との大規模な契約は、大手商業出版社の市場支配を強め,小規模な専門出版社や学会系出版社に不利であることを指摘。これにより、良質な研究が商業的に権威のある雑誌のみに掲載されるなどの不公平が生じるという。さらに、少なくとも人文科学分野では、契約対象となる機関に所属していない研究者が依然として多く存在するという事実が考慮されていないことへの懸念を示している。
本声明は、あらゆる分野でOAへの公平なアプローチをサポートするのに十分なリソースとインフラが利用できるようになるまで、ハイブリッドモデルを維持することが重要だとしている。
EQUITY IN OPEN ACCESS(pdf:全2ページ)
※以上、ALLEA (accessed 2021-11-01)
[ニュースソース]
It Matters How We Open Knowledge – ALLEA Statement on Equity in Open Access ― ALLEA 2021/10/25 (accessed 2021-11-01)