Natureは、10月29日、"Ten ways to improve academic CVs for fairer research assessment"と題する記事を公開した。
本記事は、アカデミックCV(Curriculum Vitae、履歴書)の改善に取り組むH-Group(CV Harmonization Group)※の活動および、研究キャリアを多様化し、その評価を公平で透明性の高いものにするために同グループが策定したアカデミックCVの推奨事項などを概説したもの。
記事の前半で、研究成果物の指数関数的な増加により業績を評価する側の負担も増したこと、それにより、年功序列や名声、論文数、引用数などの指標の誤用が広がり研究の質が脅かされていると指摘。研究評価の改善を訴えるDORA(San Francisco Declaration on Research Assessment、サンフランシスコ研究評価宣言)やライデン声明などが主に出版物と成果の評価に焦点を当てる中、研究評価の際に最初に参照されるアカデミックCVへの注目を集めるためにH-Groupを設立し、アカデミックCVの標準化、相互運用性の向上、改善点を検証するためのワークショップの開催などに取り組んでいることを紹介している。
また、同グループが策定した、「権威や名声よりも実際の成果を優先する」「履歴(過去の業績)よりも最近の成果に焦点を当てる」「主要な活動と成果に焦点を当てる」などアカデミックCVに関する10の推奨事項とその解説、H-Groupに10か国以上の助成機関の代表者が含まれていることを示しているほか、同グループのメンバーリストも公開している。
※責任のある透明な業績実績評価のためのアカデミックCVに関する専門知識の交換と蓄積の促進を目的に、SNSF(Swiss National Science Foundation、スイス国立科学財団)およびORCIDが設立。ORBIT(ORCID's Reducing Burden and Improving Transparency)プロジェクトから派生したもの。
[ニュースソース]
Ten ways to improve academic CVs for fairer research assessment ― Nature 2021/10/29 (accessed 2021-11-09)