EU(European Union、欧州連合)の資金助成機関であるERC(European Research Council、欧州研究会議)は、11月18日、同会議が助成した研究に関する評価報告書"Qualitative Evaluation of completed Projects funded by the European Research Council 2020"を公開した。
ERCは毎年、同機関の助成を受けた研究プロジェクトの成果やインパクトを評価している。本報告書は、2017年7月1日から2018年6月30日までに終了した823件のプロジェクトから無作為に選んだ225件を科学者らが分析・評価し、その結果をまとめたもの。
結果として、プロジェクトの約18%が画期的な科学的成果を上げたこと、約64%が大きな科学的進歩をもたらしたこと、85%がプロジェクトを通じて新たな研究方法などを開発したこと、約50%が経済や社会、政策立案、産業などの科学以外の分野に影響を与えており、約70%が今後、科学以外の分野へ影響を与えると予想されていることなどを示している。
その一方で、約18%は科学的な貢献度が低く、約1%は目立った成果がなかったという。
結論として、プロジェクトの総合評価と学際性には正の相関関係があること、大きな進歩をもたらしたプロジェクトはより学際的だと評価されたこと、総合評価が高かったプロジェクトはすでに経済・社会的に大きな影響を与えており、今後もそのような可能性が高いことなどを示している。
Qualitative Evaluation of completed Projects funded by the European Research Council 2020(pdf:全13ページ)
※以上、ERC (accessed 2021-11-25)
[ニュースソース]
IMPACT OF ERC-FUNDED FRONTIER RESEARCH AGAIN CONFIRMED ― ERC 2021/11/18 (accessed 2021-11-25)