OA実現に重要なのは、商業的優位性ではなく学術流通の多様性の考慮(記事紹介)

2021年12月17日

アジア・オセアニア

Open Access Australasia※は、12月10日、"Bibliodiversity, not commercial predominance, should be the future of open access"と題する記事を公開した。

本記事は、OA(オープンアクセス)を実現するには、商業出版社の見解をうのみにするのではなく、学術流通の多様性をもっと考慮すべきだと述べている。

Springer Nature社が、Scholarly Kitchenの記事で、助成された研究の出版にゴールドOAを推奨しており、グリーンOAは図書館の購読料の継続に依存しているため持続可能ではないと述べたことを引用し、本記事ではAPC(論文掲載料)が非現実的に増加するゴールドOAも持続可能ではないと指摘している。

また本記事は、11月に採択された"UNESCO Recommendation on Open Science"でも推奨されている学術流通の多様性を重視すべきだと主張。学術流通の多様性は複雑なため商業出版社は嫌がるが、研究コミュニティーのニーズは商業出版社と差異があり常に進化している。たとえばリポジトリは多くの役割を担っており、学術コンテンツの管理を出版社に委ねることは危険な動きだと述べている。

※オーストラリアおよびニュージーランドの28大学などから成るOA推進組織。

[ニュースソース]

Bibliodiversity, not commercial predominance, should be the future of open access ― Open Access Australasia 2021/12/10 (accessed 2021-12-13)