Natureは、2月16日、"NIH issues a seismic mandate: share data publicly"と題する記事を公開した。
これは、NIH(National Institutes of Health、米国立衛生研究所)が2023年1月から同研究所への助成金申請者を対象に、助成金申請時におけるDMP(Data Management Plan、データ管理計画)の提出および後の研究データ公開を義務化することや、今後予想される影響について研究者のコメントなどを交えながら伝えたもの。
本記事では、バイオメディカル分野における研究の再現性が危惧される中、研究の透明性・説明責任の確保、納税者の信頼獲得がNIHの狙いであることを紹介。NIHが同分野で世界最大級の助成機関であることから、同様の取り組みが世界に波及する可能性が高いとする意見を掲載している。
また、本取り組みを称賛するコメントがある一方で、データ収集を担当する若手研究者の負担増大、助成金に関わる研究機関間の格差拡大、新たなポリシーの施行に向けた対象となる研究データの絞り込みやDMP履行評価の明確化の必要性を指摘する研究者のコメントも伝えている。
[ニュースソース]
NIH issues a seismic mandate: share data publicly — nature 2022/02/16 (accessed 2022-02-21)
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