Natureは、3月14日、"Ukrainian researchers pressure journals to boycott Russian authors"と題する記事を公開した。
本記事は、ジャーナルからのロシア研究者排除を求めるウクライナ研究者の要望と、出版社やロシア側の動きを紹介したもの。
グローバルな研究コミュニティーを分断するとしてロシア研究者排除に反対する意見や、科学が果たす外交的役割に期待する意見がある一方、ごく少数ではあるが、ロシア政府への抗議としてロシア研究者の論文を取り上げないジャーナルもある。
また、Clarivate Analytics社は、ウクライナとの関係からロシアおよびベラルーシの新しいジャーナルについて評価作業を停止したうえ、3月11日にはロシアにおけるすべての営業活動を中止し、事務所を閉鎖するとした。こうした動きに対して、これまでロシア政府が資金を提供する研究者に課していた、Web of Science やScopusなどにインデックスされたジャーナルでの論文出版の義務の撤回を考えるとするロシア側の対抗措置についても伝えている。
現在の状況が続けば、いずれ国際的ジャーナルからロシア研究者が締め出されて研究成果発表の機会が奪われ、経済制裁の影響でジャーナル購読に必要な研究資金も不足することが予想されるため、ロシアの研究水準が下がると危惧するロシア研究者のコメントもあわせて紹介している。
[ニュースソース]
Ukrainian researchers pressure journals to boycott Russian authors -- Nature 2022/03/14 (accessed 2022-03-17)