カナダの大学に関する情報を提供するWebサイトUniversity Affairsは、4月7日、"Is Canada ready for open access?"と題する記事を公表した。
本記事では、2021年、カナダの研究のOA(オープンアクセス)化率は30%で、世界平均34%を下回り、OA化が進むスウェーデン、オランダ、英国などに大きく後れをとっていることを指摘。
OA化をめぐる課題として「OA出版を促進する資金の調整欠如」「研究評価がもたらす研究者側の障壁」を挙げ、昨年は31図書館の計約2億8,000万カナダドルがジャーナル購読に費やされているなど、決して資金不足ではないことや、ジャーナルインパクトファクター(JIF)の高いジャーナルの中には高額なAPC(論文掲載料)を要求するジャーナルがあることなど、JIFを重視する研究評価の問題点を説明している。また、資金の流れと契約を一元化したオーストラリアの事例を見習うべきモデルとして紹介している。
そのうえで、「すべての利害関係者を巻き込んだOA化のための優先順位・要件・課題の設定」「OA化を進める道筋・スケジュール・資金を調整する組織」「ジャーナル購読やAPCにあてられる経費・OA出版の成果の傾向・完全OA化支援に十分な資金の有無の分析」の3つの方針に沿った取り組みが必要としている。
[ニュースソース]
Is Canada ready for open access? ― University Affairs 2022/04/07 (accessed 2022-04-12)