NISTEP(National Institute of Science and Technology Policy、科学技術・学術政策研究所)は、10月25日、「世界のフォーサイトの動向-コロナ禍の影響と今後の活動-」(調査資料-320)を公表した。
本報告書は、NISTEPが2021~2022年に開催した、他国および国際機関でフォーサイト※に取り組んでいる専門家によるオンラインセミナー(3回シリーズ)で紹介された課題や、意見交換時の指摘などをまとめたもの。
セミナーは、科学技術における政策・社会との関係性およびフォーサイト手法の現状把握のために、「コロナ禍がフォーサイトに与えた影響(テーマA)」「フォーサイトにおける共創と創造性(テーマB)」という2つのテーマで開催された。
その結果、テーマAでは、ワイルドカード(不確実な将来の機会や脅威)の扱いや政策立案への貢献、テーマBでは、外挿だけでは見えない未来を描くための共創や創造性を活用するうえでの課題などが紹介されたことを示している。
また、意見交換において、将来に対して複数のイメージを持つこと、市民を含む多くのステークホルダーの参加などの重要性が挙げられたほか、データ分析ツールの活用、共創と創造性を活かしたワークショップ設計、フォーサイト研究に関する教育、世界的ネットワーク構築の必要性が指摘されたことなどを示している。
※目指すべき社会の実現に寄与する、科学技術や社会システムなどを探る試み。
[ニュースソース]
「世界のフォーサイトの動向-コロナ禍の影響と今後の活動-」[調査資料-320]の公表について -- NISTEP 2022/10/25 (accessed 2022-10-31)