NISTEP（National Institute of Science and Technology Policy、科学技術・学術政策研究所）は、1月31日、「修士課程（6年制学科を含む）在籍者を起点とした追跡調査（2021 年度修了（卒業）者及び修了（卒業）予定者に関する報告)」（調査資料323）を公表した。
これは、博士課程への進学率の減少を踏まえ、修士課程（6年制学科を含む）修了（卒業）者および修了（卒業）予定者を対象に、在籍中の経済的支援状況、進路状況、博士課程に進学しない理由、博士課程への進学率を向上させるための政策などについて調査したもの。2022年1～3月に調査を行い、1万7,525名から回答を得た（回答率14.0％）。
その結果として、回答者の33.7％に返済義務のある奨学金・借入金があり、そのうち半数近くは借入金総額が300万円以上であること、修士課程への進学理由で「研究したい課題や問題意識があった」と回答したのは社会人（56.1%）が一番多かったこと、博士課程への進学希望者は約10％と少なく、約70％は就職を希望し、その理由を「経済的に自立したい」「社会に出て仕事がしたい」「博士課程に進学すると生活の経済的見通しが立たない」「博士課程に進学すると修了後の就職が心配である」「博士課程の進学のコストに対して生涯賃金などのパフォーマンスが悪い」などであったことを示している。
また、博士課程進学者を増加させる効果的な政策として、「博士後期課程での給与支給」「産業界における博士取得者に対する給与等処遇改善」「若手研究者（博士後期課程学生含む）の研究環境改善」などが挙がったという。
［ニュースソース］
「修士課程（6年制学科を含む）在籍者を起点とした追跡調査（令和3年度修了（卒業）予定者）」[調査資料 No.323]の公表について ― NISTEP 2023/01/31 (accessed 2023/02/06)
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