TOMEからみるOAモノグラフ出版が印刷版に与える影響(記事紹介)

2023年02月22日

北米・中南米

Digital Science社は、2月16日、"TOME sheds light on sustainable open access book publishing"と題する記事を公開した。

本記事は、TOME (Toward an Open Monograph Ecosystem)※の5年間の成果についてまとめたもの。

その成果として、20のTOME参加機関の資金提供により130以上の学術モノグラフがOA(オープンアクセス)出版され、その約70%が本パイロット期間の最後の2年に出版されたという。

2018年5月から2019年9月に出版された最初のOA図書25冊は、2022年7月までに19万5,000回近くダウンロード・閲覧され、その1冊あたりの平均ダウンロード・閲覧数は7,754回で、同図書の印刷版の平均販売数590/冊よりも上回っていたことを示している。

そのほか記事では、MIT PressのDirect to OpenなどのOA書籍イニシアチブの調査結果との比較や、OA書籍が印刷書籍へ与える影響なども示している。

ステークホルダーの動向やモチベーションなどの詳細な調査を含めたTOMEの最終報告書は数週間以内にリリースされるという。

※AAU(Association of American Universities、全米大学協会)、ARL(Association of Research Libraries、研究図書館協会)、AUPresses(Association of University Presses、大学出版協会)が、新たなOA図書の出版エコシステムの構築を目的に2017年に開始した5年間のパイロットプロジェクト。

[ニュースソース]

TOME sheds light on sustainable open access book publishing 2023/02/16 (accessed 2023-02-21)

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