ARL（Association of Research Libraries、研究図書館協会）は、4月25日、NIH（National Institutes of Health、米国立衛生研究所）が発表したパブリックアクセス計画"NIH Plan to Enhance Public Access to the Results of NIH-Supported Research"のRFI（Request For Information、意見招請）に対する回答を公表した。
ARLは、連邦政府が資金提供した研究結果をエンバーゴ（公開猶予期間）なしで広く利用可能にし、科学的完全性をサポートするためにPID(Persistent Identifier、永久識別子）を活用し、公平なアクセスを確保するというNIHの取り組みを評価するとしている。
NIHが特に回答を募集している「変化する出版コストと関係コミュニティーへの影響のモニタリング方法」の課題については、出版コストを完全にモニタリングするためには、同コストに関する助成金予算項目の枠を超えた調査が必要であるとコメント。同コストの追加情報を得るため、決算時に研究者や研究機関を調査すること、出版物の形式を問わず出版傾向をモニタリングすること、NIHの支援を受けている研究者が最も多く出版しているジャーナルの同コストを見直すことなどを推奨するとコメントしている。
同様にNIHが特に回答を募集している「研究の発見性・透明性を高めるための検討に関する早期のインプット」の課題については、NIHに対し、他の連邦機関と協調・調和することで、PIDの利用を支援するツールやサービスの設計・開発に資金提供できるとコメントしている。また、Crossref・DataCite・ORCIDなどのオープンな学術インフラを推進する会員組織やFAIR（Findable, Accessible, Interoperable and Reusable）データのためのベストプラクティスに従っている組織やデータリポジトリにも資金提供できるとコメントしている。
そのほか、2つの課題のRFIに対する回答も示している。
［ニュースソース］
ARL Comments on NIH Plan to Enhance Public Access to Results of NIH-Supported Research － ARL 2023/04/25 (accessed 2023-05-01)
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