NISTEP、第6期科学技術・イノベーション基本計画中の状況把握のための「科学技術の状況に係る総合的意識調査(NISTEP定点調査2022)」の第2回結果を公表

2023年05月09日

日本

NISTEP(National Institute of Science and Technology Policy、科学技術・学術政策研究所)は、4月20日、「科学技術の状況に係る総合的意識調査(NISTEP定点調査2022)」(NISTEPREPORT No.197, 198)を公表した。

本調査は、研究者や有識者への継続的な意識調査を通じて、日本における科学技術やイノベーション創出の状況変化を把握するためのもの。同研究所が第6期科学技術・イノベーション基本計画期間中の5年間を対象に、2021年度から開始したもので、今回公表したのは第2回の結果である。

調査対象は、約2,300名。大学、国立研究開発法人・大学共同利用機関(国研)、重点プログラムなどにおいて第一線で研究開発に取り組む約1,500名の研究者および、大学・国研等のマネジメント層や企業の代表者・研究開発担当責任者、政府の審議会委員など約800名に対して2022年9月~ 12月にオンライン調査を実施。回答率は92.1%(回答者数2,081名/送付者数2,259名)であった。

その結果として、論文数シェアによる大学グループによって、「優秀な外国人研究者の受け入れ・定着」「研究施設・設備」「知識に基づいた価値創出」「地域創生」「大学 経営」について抱える課題が異なり、違いを踏まえた支援・取り組みが必要なことが示された。

また、多くの大学に共通する課題として、「若手研究者への安定した雇用の提供」「望ましい能力をもつ博士課程進学者の数」「研究者業績評価に関するマネジメント層と研究者間のコミュニケーション」「女性研究者が活躍するための人事システムの工夫」が挙げられた。

そのほか、学術研究・基礎研究に対する厳しい認識および研究時間の不足は本調査を通じた継続的な問題であること、新たな問題として円安・物価高が、国際連携・頭脳循環、研究基盤、研究施設・設備、研究資金などへ悪影響を及ぼしていることが示唆された。

科学技術の状況に係る総合的意識調査 (NISTEP定点調査 2022) 報告書(html)

※以上、NISTEP (accessed 2023-05-02)

[ニュースソース]

「科学技術の状況に係る総合的意識調査(NISTEP定点調査2022)」[NISTEPREPORT No.197, 198]を公表しました - NISTEP 2023/04/20 (accessed 2023-05-01)

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