NISTEP(National Institute of Science and Technology Policy、科学技術・学術政策研究所)は、4月27日、「論文のオープンアクセスとプレプリントに関する実態調査2022:オープンサイエンスにおける日本の現状」(調査資料-327)を公表した。
本調査の目的は、⽇本の研究者による論⽂とプレプリントの⼊⼿や公開の状況、認識を明らかにすること。2022年7⽉~8⽉に科学技術専門家ネットワークに所属する研究者1,671名にオンライン調査を行い、1,173名から有効回答を得た(回答率70.2%)。論⽂・プレプリントの⼊⼿や公開については、研究活動中の1,104名の回答を分析したという。
その結果として、必要な論⽂をほとんど⼊⼿できたと答えた研究者は42.0%、論⽂のOA(オープンアクセス)経験者は83.3%(2020年の調査に比べ+3.2ポイント)であったこと、プレプリントに関して、⼊⼿経験は67.3%(+15.2 ポイント)、公開経験は29.5%(+9.1 ポイント)と、いずれも2020年に比べ増加していたことを示している。
論⽂の公開⼿段は、ゴールドOA(77.0%、-0.1ポイント)、ハイブリッドOA(42.9%、+12.3%)の順で多く、論文の未公開の理由は「資⾦がない」(54.7%)、「投稿したい雑誌がOAではない」(35.3%)であった一方、それらの未公開理由が解消された場合66.7%が公開の意思を示している。
プレプリントの⼊⼿・公開はともにarXiv、bioRxiv、ResearchGateの順で多く、プレプリントの未公開の理由は「公開する必要性を感じない」(53.6%)、「最初に査読誌に投稿したい」(53.2%) で、それらの未公開理由が解消された場合の公開意思を示した回答者は28.3%にとどまった。
論⽂のオープンアクセスと プレプリントに関する実態調査 2022 :オープンサイエンスにおける⽇本の現状(html)
※以上、NISTEP (accessed 2023-05-02)
[ニュースソース]
「論文のオープンアクセスとプレプリントに関する実態調査2022:オープンサイエンスにおける日本の現状[調査資料-327]」を公開しました - NISTEP 2023/04/27 (accessed 2023-05-01)
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