英国下院科学イノベーション技術特別委員会（Commons Science, Innovation and Technology Select Committee）は、5月10日、科学研究の再現性・完全性に関する報告書を公表した。
本報告書では、同国政府が研究とイノベーションに重点を置き、研究開発への投資を増加させたにもかかわらず、実験やデータ分析の結果の再現が困難なため、一部の科学研究の完全性が疑問視されていることに言及。また、本特別委員会の前身となる委員会が2018年の報告書で提言した、研究の完全性に関する委員会（Committee on Research Integrity）の設置を歓迎する一方、同委員会の優先事項として研究の再現性問題が欠如している点について懸念を表明した。
そのうえで、英国における研究の再現性問題の規模や最も影響を受ける分野、特にAI（Artificial Intelligence、人工知能）などの導入が研究の再現性に与える影響について、包括的かつ厳正に評価する必要性を強調。研究の再現性問題のみに焦点を当てた小委員会の設置を勧告したほか、助成機関や出版社に対する提言なども示した。
［ニュースソース］
MPs call for research sector reforms to address concerns with reproducibility of science － UK Parliament 2023/05/10 (accessed 2023-05-17)
［小欄関連記事］
2014年02月14日 英国：下院科学技術特別委員会、女性科学者のキャリアに関する報告書を公開
2011年08月01日 英国下院、「科学出版における査読」を発表（報告書）