Nature誌は、6月2日、"EU council's 'no pay' publishing model draws mixed response"と題する記事を公開した。
本記事は、5月23日にEU理事会（Council of the European Union）が採択した、"high-quality, transparent, open, trustworthy, and equitable scholarly publishing （高品質で、透明性・オープン性・信頼性・公平性に優れた学術出版）" に関する結論の概要や、学協会や出版社からの意見を紹介したもの。
まず、同結論の採択に至るまでの経緯が概説され、EU理事会がEC（European Commission、欧州委員会）やEU加盟国に対し、非営利のOA（オープンアクセス）モデルの導入を勧告したことを示している。
次に、DFG（German Research Federation、ドイツ研究振興協会）やEUA（European University Association、ヨーロッパ大学協会）が同結論に対して支持を表明していることを示している。
一方、STM（International Association of Scientific, Technical and Medical Publishers、国際STM出版社協会）やResearch Consulting社は、同結論に対して懸念を示していることを紹介。STMは、同結論が出版費用の支払い方法を明確にしないまま新しい出版システムの構築を提案していることを問題視しているほか、同結論が欧州の独立系出版社を排除し学問の自由を妨げる可能性があると述べている。
最後に、同結論が出版物における研究の健全性・公平性の重要性を強調していることを示し、Plan Sの発足から出版業界がOAに移行するまでに時間がかかったように、同結論による影響が現れるまでには5年ほど時間がかかるだろうという関係者のコメントを紹介している。
［ニュースソース］
EU council's 'no pay' publishing model draws mixed response － Nature 2023/06/02 (accessed 2023-06-06)
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