UNESCOは、6月9日、AI(Artificial Intelligence、人工知能)Foundation Modelに関するポリシーペーパー"Foundation models such as ChatGPT through the prism of the UNESCO Recommendation on the Ethics of Artificial Intelligence"を公表した。
同ペーパーの公表は、G7広島サミットをきっかけにAI規制の必要性が高まっていることを受けたもの。2021年に発表した勧告"UNESCO Recommendation on the Ethics of Artificial Intelligence" を基に、ChatGPTのような基盤モデルが持つリスクを明らかにし、対処案を提示することを目的としている。
同ペーパーでは、同モデルに関する懸念として、オリジナルとの区別が不可能な新しいコンテンツ(ディープフェイクなど)をAIが作成でき、情報の信頼性・検証可能性・国民の信頼に悪影響を及ぼす可能性があることを挙げている。
また、同ペーパーでは、ChatGPTを用いた検証から明らかになったAIツールの問題について示している。同ツールは言語の多様性が欠如しており、データの正確な翻訳は可能である一方、提供される文化的な情報の多くが米国由来のものであることを示している。そのほか、危険なコンテンツの配信を促進するために使用されるといったセキュリティー上の問題などについて示している。
結論として、目下、GhatGPTのようなAIツールの設計・開発は、同勧告に準拠していないことを述べている。リスクを低減し、社会的利益を増大するために、倫理的影響評価などのツールを用いて改善を行っていく必要性を提言している。
[ニュースソース]
Artificial Intelligence: UNESCO publishes Policy Paper on AI Foundation Models - UNESCO 2023/06/09 (accessed 2023-06-14)
Foundation models such as ChatGPT through the prism of the UNESCO Recommendation on the Ethics of Artificial Intelligence - UNESCO (accessed 2023-06-14)
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