Springer Nature社、"2023 Nature Index Annual Tables"を公表

2023年06月20日

アジア・オセアニア 北米・中南米 ヨーロッパ 中東・アフリカ

Springer Nature社は、6月15日、"2023 Nature Index Annual Tables"を公表した。

これは、質の高い研究に貢献した機関や国に関する調査結果をまとめたもの。

2022年に発表された研究を対象とした本調査では、自然科学の4分野(物理科学・化学・生物科学・地球環境科学)の貢献度について、中国が米国を抜いて1位になったことを示している。指標の一つである"Adjusted Share"について、中国は2021年から2022年にかけて21.4%上昇し、これは上位10カ国で最大の上昇率だったという。

自然科学分野での中国の優位性は、研究機関別ランキングでも明らかであり、2022年のシェアはCAS(Chinese Academy of Sciences、中国科学院)が11年連続のトップで、2位のHarvard University(ハーバード大学)と3位のドイツMax Planck Society(マックスプランク協会)を大きく引き離していることなどを示している。

また、本調査では、初めて64の医学ジャーナルを対象とした健康科学分野の貢献度の調査が行われた。その結果として、同分野では、米国が大きくリードしており、シェアは2位の中国の4倍以上となっていることを示している。

一方、日本は、国別ランキングで2022年版同様の5位だが、自然科学分野のAdjusted Shareは2年連続で減少した。また自然科学分野の世界の研究機関ランキングでも、100位以内の4機関は、東北大学を除き、2022年中のAdjusted Shareが減少したという。

[ニュースソース]

New Nature Index data shows China on top for natural sciences as US leads on health sciences research - Springer Nature 2023/06/15 (accessed 2023-06-19)

最新版Nature Index発表――自然科学では中国、健康科学では米国が首位 - Springer Nature 2023/06/15 (accessed 2023-06-19)

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