米国CRS(Congressional Research Service、議会調査局)は、6月9日、"Generative Artificial Intelligence: Overview, Issues, and Questions for Congress"と題するCRS Reportを公開した。
本報告書では、ジェネレーティブAI(Artificial Intelligence、人工知能)の発展・使用に伴う問題点・議会の動向などについて述べられている。
バックグラウンドとして、RNN(recurrent neural network)、GPT(Generative Pre-Trained Transformer)、LLM(Large language model、大規模言語モデル)など、AI技術が数十年かけて発展し、近年はジェネレーティブAIが進歩していることを紹介している。
ジェネレーティブAIがめざましい能力を発揮している一方、AIツールによる誤情報や偽情報の生成・増幅・拡散の可能性に懸念を示している。これについてOpenAI社は、ジェネレーティブAIの強力なモデルでさえ完全に信頼できるものではなく、ジェネレーティブAIが作成した出力の使用については細心の注意が必要であると述べている。
議会ではこれまでもAIに関する法案を制定してきたが、政治におけるジェネレーティブAIの使用についての透明性や説明責任、政府によるデジタルプラットフォームの監視などジェネレーティブAI関連法案が提出されている。現在、ジェネレーティブAIに対する規制の導入について検討が始められており、それについて、議会への質問が挙げられている。
[ニュースソース]
Generative Artificial Intelligence: Overview, Issues, and Questions for Congress - CRS 2023/06/09(accessed 2023-06-22)
[小欄関連記事]
2023年05月09日 米国政府、責任あるAIイノベーションを推進し国民の権利と安全を守るための新たなアクションを発表
2023年03月23日 米国著作権局、AIがもたらす著作権法および政策の問題を検討するイニシアチブを開始したと発表