アイルランドのコンソーシアムIReL※は、6月12日、TA（Transformative Agreement、転換契約または移行契約）に関する声明を発表した。
同声明は、EU理事会（Council of the European Union）が採択した、"high-quality, transparent, open, trustworthy, and equitable scholarly publishing （高品質で、透明性・オープン性・信頼性・公平性に優れた学術出版）" に関する結論を受け、公平な完全OA（オープンアクセス）の実現に向けた同コンソーシアムのコミットメントを再度表明するためのもの。
同コンソーシアムは、従来の購読モデルの多くをTAモデルに変更しており、5月現在、22のTAを締結。2021年には会員著者による論文の42％がOA出版されるなど、同国でのOA出版が加速していることを示している。
同コンソーシアムは、2030年までにOA化率100%を達成するという目標に向けて取り組んでいる。現在締結しているTAのうち10の契約が2023年末に終了するため、新たな契約締結に向けた交渉を出版社と行っていることに言及。交渉の際に出版社に求める要件として「OA出版と購読にかかる総コストの削減または抑制」「全ジャーナルにおける上限のないOA出版」「OA出版プロセスの簡素化と改善」「OA出版サービスの料金の公正性・透明性、および契約条件公開」を挙げている。
※ Maynooth Universityを拠点とするアイルランドの研究図書館のコンソーシアム。参加機関に対し、幅広い電子資料へのアクセス、出版社とのOA出版契約、オープンサイエンスインフラを提供している。
［ニュースソース］
IReL's approach to the negotiation of transformative agreements － IReL 2023/06/12（accessed 2023-06-26）
Towards transparent, equitable and open access to scholarly publications: IReL's approach to the negotiation of transformative agreements － IReL (accessed 2023-06-26）
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