完全OA(オープンアクセス)の出版社グループFully OAは、8月7日、米国のHouse Appropriations Committee(米下院歳出委員会)が発表した2024会計年度法案"Fiscal Year 2024 bill for the Commerce, Justice, Science, and Related Agencies Subcommittee"に反対する声明を発表した。
同声明には、Fully OA メンバーのeLife、Frontiers社、JMIR Publications社、MDPI社、Open Library of Humanities、PeerJ、PLOS、Ubiquity Press社が署名。
同法案の552項では、「本法またはその他の法律で決定した資金は、2022年8月に同国OSTP(Office of Science and Technology Policy、大統領府科学技術政策局)が発表した、連邦政府の助成を受けた学術出版物の即時公開および研究データ共有の強化に関する覚書の実行などには使用できない」と規定している。
同声明では、本法案が成立すると、毎年900億ドル以上費やしている科学研究の資金から得る社会的利益を納税者が享受できなくなるとコメント。パブリックアクセスを公平なものにするためにビジネスモデルを適応させるという現在の出版社への要求も撤廃されることになると述べている。
また、同法案が規定している12カ月のエンバーゴ期間の維持は、研究や科学文献へのアクセスに関する世界の動向に逆行すると述べている。
Fully OAは、オープンサイエンスや科学の自由に向けた法案策定のために同委員会に協力することを表明している。
[ニュースソース]
The Fully OA group respond to the House Appropriations Committee - Fully OA 2023/08/07(accessed 2023-08-08)
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